【家電量販店携帯販売】MNP獲得までの流れとポイントを解説

契約が獲得できない。

他社からのMNP(乗り換え)が獲得できない。

「変えるの面倒だから今のまま機種変更でいい」と言われて、対象キャリアのスタッフへ引き継ぐ。

他のスタッフは契約獲得できているのに、なんでできないんだろう。

他社はキャンペーンが強いのに、自社はキャンペーンが弱くてお客さんが得に感じないから契約獲得が難しい。

契約獲得に悩んでいる家電量販店携帯販売スタッフが契約獲得数を伸ばし、どの携帯キャリアでも通用する契約の流れを紹介します。

お客さんとの最初の接点である「声かけ」の方法はこちらの記事で解説しています。

この記事を書いてる人
  • フリーランスとして携帯イベント販売のキャッチ、クロージング(契約獲得)を経験
  • ウォーターサーバーの訪問販売2年間経験
  • 携帯ショップ勤務2年経験(店長経験)
  • 現役家電量販店携帯販売員

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MNP契約獲得は誘導が重要

MNP契約獲得で重要なのはお客さんを誘導することです。

誘導するとは先導してゴールへ案内するイメージです。

「MNPしたら機種代が安い」

「MNPしたら月額が安い」

この2つのベネフィットを伝えたら会社を変えるお客さんもいます。

携帯販売スタッフは料金形態やキャンペーンを理解しているから提案できますが、お客さんは無知です。

お客さんが理解できていないことを「得ですよ!変えましょう!」なんて言われても不安で変えられません。

だからこそ携帯販売スタッフはお客さんの不安を取り除きながら、誘導してあげる必要があります。

自分自身が理解しているのならお客さんの通信費削減や、お客さんの得のために売ってあげなければいけません。

お客さんに響く価値は何か?を探す

MNPを獲得するためには、お客さんが感じる価値を探す必要があります。

そのためには質問ばかりを投げかけるのでなく、お客さんと会話のキャッチボールをして深掘りをしていく。

お客さんが感じる価値の例
  • ランニングコスト
  • 機種代金を安くできる
  • 通信品質
  • ギガ数のプラン
  • 家族全員で安くしたい
  • 最低限使えるだけで料金は安いほうがいい
  • ポイントが貯まるほうがいい
  • 分かりやすい、使いやすいキャリアがいい
  • 使いやすい機種がいい
  • 最新機種がいい
  • iPhoneがいい
  • Androidがいい

価値とはお客さんがいいと感じた時点で価値になります。

つまりお客さんが最初価値を感じていなくても価値を伝えられるならそれでOK。

ただ価値を伝えるよりもお客さんの感じる価値を知り、その価値を選ぶほうが確実です。

お客さんの感じる価値を知るには、ヒヤリング(聞く)しかありません。

値段、利便性、ステータスなど価値は様々

コストだけで考えれば一括1円のAndroidを買い、最安の格安SIMが最も得です。

ランニングコストを削減したいと思っているお客さんでもランニングコスト以外にも価値を感じたいものが複数あります。

『ランニングコストは安くしたいけど、使うのはiPhoneがいいし通信速度は速いほうがいい、ギガ数も10GBは使いたい。』

値段だけの訴求や、利便性だけで訴求や、通信品質の訴求だけではお客さんの求める価値を提供できません。

価値の種類がたくさんあり、お客さんは一つの価値を求めているのではなく、価値の組み合わせを求めています。

お得に惹かれる人と利便性に惹かれる人

通信費がとにかく安いほうがいいお客さんと、通信費はかかってもいいから快適に使えるほうがいいというお客さんもいます。

スマホは連絡手段だけだから機種も通信速度も気にしない。できるだけ料金を下げたいというお客さん

快適に使えるならその快適という価値に見合った料金を支払うお客さん。

体験価値を求める人と、金銭的な価値を求める人がいることも知っておく必要があります。

MNPまでどうやって誘導するか

MNPへと誘導する場合、他社の機種変更を検討しているお客さんと話すことが多いと思います。

その場合どうやって自社のキャリアへMNPの誘導をするかというと「質問」です。

2択の質問でゴールまで導いていく

どっちがいいか?という断定的な質問でなく、どっちがいいと思うか?という感情的な答えを引き出します。

断定的な質問をすると感情的に「今のキャリアとプランでいい」と断られる可能性が増します。

「どちらかというとどっちがいいと思うか?」という質問は感情的にはどっちかを知ることができます。

感情的にいいと思っていても変えない理由は「不安・分からない・心配」なのでお客さんが感情的にMNPをするほうが得だとわかっているのならあとは問題点の解決でMNPへ誘導できます。

質問の例
  1. 同じ機種で安く使えるのと、料金が倍ぐらい高いのとどっちがいいと思うか?
  2. 使えるギガ数が10GBあって、かけ放題もついて料金が下がるのと同じとどっちがいいと思うか?
  3. iPhoneとAndroidと今回機種を変えて使うならどっちがいいと思うか?
  4. キャリアメールはそのまま使いたいと思うか、使ってないからいらないと思うか?
  5. 今使っているスマホはそのままで月の通信費が高いのと、安いのどっちがいいと思うか?
  6. YouTubeやSNSを快適に使える無制限か、20GBほどあれば十分かどっちがいいと思うか?
  7. ギガ数は使わない月は安く、使った月だけ料金があがるほうがいいと思うか?
  8. ポイントがもらえるMNPは1台よりも家族全員で変えた方がいいなと思うか?
  9. スマホを使ってポイントがもらえないのと、たくさん貯まるのとどっちがいいと思うか?
  10. 同じキャリアをずっと使うのと、2年毎に乗り換えるのとどっちのほうが得だなと思うか?

2択の質問でお客さんの感情を得になるほうへ誘導します。

もちろん得になるほうがMNPになる質問をするので、お客さんは感情的にMNPが得だと理解できます。

まずはお客さんの感情を動かすために2択の質問で誘導しましょう。

論理的な提案だけではうまくいかない

  • 40代主婦
  • 家族4人暮らし
  • スマホは3台使用(夫婦と長男)
  • スマホの3台合算の料金は1万5千円
  • スマホや通信の仕組みが苦手
  • 同じキャリアを15年使ってる

普段

アプリや折り込みチラシで食料品が100円安いスーパーに年10回ぐらい買い物に行く。

この場合の節約金額は100円×10回=1000円です。

少し離れたスーパーに買い物に行きいつもよりも30分以上かかりました。

節約のために使った時間は30分×10回=300分(5時間)

こういった人に論理的な提案だけをするとうまくいきません。

  • スマホ1台あたり月に1000円下がり新しい機種が使える。
  • 年間削減額は3万6千円。乗り換え先は格安SIMで通信速度が少し劣る。
  • 3台のスマホの手続きは3時間、アプリなどのデータ移行は自身でやってもらう。

論理的に節約額で考えたらMNPすべきですが、料金だけの訴求をしたら感情的に抵抗が出て変えません。

アプリデータの移行にかかる時間や手続きで3時間の拘束を受けることに「面倒だ」という感情が勝ってしまうからです。

MNP獲得が失敗する原因とは?

MNP獲得が失敗する大きな原因は、主張ばかりをしてしまいお客さんの思っていることや感情と合わないからです。

  • 携帯会社を変えたくないと思っている人に、料金が安くなる話ばかりを主張する。
  • 毎月の料金が高くてもiPhoneを使いたい人に、一括1円のAndroidの話ばかりをする。

お客さんの思いや感情を無視した提案や主張は契約にはなりません。

こちら側の主張からするから嫌になる

お客さんから契約を獲得するには、まずお客さんのことを知り理解しないと適切な提案も主張もできません。

お客さんのメリット・ベネフィットになること理解したうえで提案するスタッフと、ただ安くなるからと何度も同じことを言う販売スタッフとあなただったらどっちの販売スタッフの話を聞こうと思うでしょうか。

ほぼ間違いなく前者のスタッフじゃないでしょうか。

お客さんは販売スタッフのノルマに興味はありません。

自分のことにしか興味がないので、自分を満たしてくれるものを受け入れようとします

信頼関係がないのに主張しても無理

初対面の10分ぐらいの会話で販売スタッフはお客さんの信頼を得なければいけません。

信頼関係がなくても契約は獲得できます。

しかし「こんなことになるなんて聞いてなかった」などクレームにも繋がります

信頼関係が築けていれば、契約後にも満足してもらうことができるし知人を紹介してくれたりもします。

そしてなにより信頼関係があれば提案の内容に関わらず、「あなたが言ってくれるなら契約する」ということが起こります。

あまり知識がない人でも信頼関係を築くのが上手い人は契約を獲得できます。

感情的なNoか論理的なNoかを知る

色々な提案をすると必ずお客さんから「NO」を言われることがあります。

「NO」の中身は大きく分けて2種類です。

  1. 感情的なNO
  2. 論理的なNO

感情的なNOとは「変えたくない」「嫌だ」「不安」など気持ちが否定的なことです。

論理的なNOとは「使用しているサービスが使えなくなる」「エリアが入らない」「電子決済が使えない」などMNPすることで不便が起こることです。

感情的なNOも論理的なNOもどちらも解決策はありますが、どっちのNOなのか?を判断できなければ油に火を注ぐようにもっとNOが強くなるので注意が必要です。

話しを聞く、それから主張する

こちら側の主張をしたり、信頼関係を築かずに提案したり、お客さんのNOを理解せず的外れな切り返しをする。

これらは「話しを聞くこと」で解決できます。

お客さんが本音で話しているか、はたまた嘘を言っているかの真意は分かりません。

だけど知るためにはお客さんに直接聞くしかありません。

2択の質問でどんなことを考えているか絞っていってもいいし、ストレートに聞いてもいい。

返ってきた返答にふれつつ、最後は質問して会話をする。

販売スタッフ

機種変更をお考えですか?

お客さん

ちょっと見てるだけなんで

販売スタッフ

ありがとうございます。新しい機種を購入予定でしたら、同じ会社で機種変更するよりも会社を変えると今たくさんキャンペーンをしているので月額料金も安く、機種代金も安く使えますよ。今はiPhoneをお使いですか?

お客さん

いや…Androidを使っててiPhoneにしようかなって思って

販売スタッフ

なるほど。iPhone使われてる方多いですもんね。失礼ですがご家族の方はiPhone使ってらっしゃいますか?

お客さん

子供がiPhone使ってて、妻と僕はAndroidでiPhoneの方がいいかなって。でもiPhone高いですもんね。

販売スタッフ

確かにiPhoneは種類が少なくて機種代金も高いです。同じ携帯キャリアで機種変更すると最新モデルで毎月機種代金が3000円ぐらい上乗せになりますね。ですが会社を乗り換えると2年間毎月400円ほどと安く使うこともできますよ。ちなみに今はどこの携帯キャリアを使われてますか?

お客さん

へえ。今は△△の会社なんですけど、ずっと同じ携帯キャリア使ってるから変えるのがなんか面倒で

販売スタッフ

僕もこの仕事するまでは携帯会社ずっと同じで、変えるなんて面倒やなって思ってました。ただ携帯販売の仕事始めたら年間で数万円以上損してたって気付いて、今は定期的に会社を変えて節約しています。失礼ですが△△の会社さんじゃないと使えないサービスとかに入られてますか?

お客さん

そうなんや。妻も僕もLINEと電話とスマホで動画ぐらいしか見ないんで△△の会社じゃないと使えないサービスを使ってる訳ではないんですよ。会社を変えるとデータの引き継ぎが面倒かなって

販売スタッフ

そうなんですね、今使っている電話番号はそのまま使えて、LINEも機種変更と同じで引き継げますよ。失礼ですが、△△会社のメールアドレスは使われてたりしますか?

お客さん

それじゃあ機種変更するのも、会社変えるもの変わらないんだ。今はLINEばっかりでメールは使ってないんです。

販売スタッフ

ありがとうございます。そうなんですよ。お客様は機種変更と同じような手続きで料金が安く持てる乗り換えと、そのままのキャリアで今よりも金額が高くなるのとどっちのほうがいいいなと思われますか?

お客さん

それは安いほうがいいですね

販売スタッフ

ありがとうございます。ちなみにお子様のiPhoneもお客様と同じ△△会社で使われてますか?

お客さん

そうなんですよ。今の機種使ってだいぶ経つかな。

販売スタッフ

どれぐらい使われてますか?

お客さん

高校に入ったときに買ったから…2年ぐらいかな?初めてスマホを持つから安く買えたんですよ。

販売スタッフ

そうなんですね。2年ぐらい経ってるということはバッテリーの持ちが悪くなってる可能性があるんですがお子様バッテリーの持ちが悪いということはおっしゃってないですか?

お客さん

バッテリー持たないしゲームの動きが悪いから新しいiPhone欲しいって言ってますね。でも高いので少し我慢してもらってたんですよ。

販売スタッフ

そうですよね。でしたらお客様仮になんですけど、お客様と奥様、お子様が携帯会社を乗り換えたら機種変更するよりも6000円は安く使っていただけると思います。なので3人とも新しいiPhoneにした場合の料金の見積もりだけ出さしてもらってもいいですか?

お客さん

じゃあ、見積もりもらおうかな。

販売スタッフ

ありがとうございます。お客様が使いたいなあと思うiPhoneの種類やプラン、通話オプションなどをお伺いして見積もりを作りますのでカウンターまでお願いします。

MNP獲得までの流れを解説

MNP獲得までの流れは大きく分けて5つあります。

お客さんとの会話の中で順番の前後はありますが大事な要素です。

什器を見ている40代の男性の例を元に解説していきます。

①現状のデメリットに気づいてもらう

現状のデメリットに気付いている人もいない人もいますが、気付いていてもそこまで損をしていると感じていなかったり緊急性を感じていない人がほとんどです。

現状のデメリットに気付いて改善しようと思った人は「MNPしたい」と来店されるはずです。

つまり販売スタッフがアプローチをするお客様は緊急性を感じていないので「現状のデメリットに気付いてもらう」ことがMNP獲得の流れの最初のステップになります。

販売スタッフ

僕もこの仕事するまでは携帯会社ずっと同じで、変えるなんて面倒やなって思ってました。ただ携帯販売の仕事始めたら年間で数万円以上損してたって気付いて、今は定期的に会社を変えて節約しています。失礼ですが△△の会社さんじゃないと使えないサービスとかに入られてますか?

②現状を変える方法(メリット)を伝える

現状のデメリットに気付いてもらったら次は、デメリットを避けるメリットの方法を提案します。

「メリットだけでもいいんじゃないか?」というとそうではありません。

緊急性がなく損を感じていない人には全く響かないからです。

メリットの伝え方は、”どんないいことがあるか?”を理解してもらうことです。

納得してもらう必要はありません。

「そういうことか!」と理解してもらえればそれでOKです。

販売スタッフ

確かにiPhoneは種類が少なくて機種代金も高いです。同じ携帯キャリアで機種変更すると最新モデルで毎月機種代金が3000円ぐらい上乗せになりますね。ですが会社を乗り換えると2年間毎月400円ほどと安く使うこともできますよ。ちなみに今はどこの携帯キャリアを使われてますか?

③ゴールへ誘導するために2択の質問

MNP契約へ導くために2択の質問をします。

しかし断定的ではなく、感情的に「どっちのほうがいいと思うか?」と聞きます。

質問する時点で選びやすい質問のほうがお客さんは答えやすい

販売スタッフ

ありがとうございます。そうなんですよ。お客様は機種変更と同じような手続きで料金が安く持てる乗り換えと、そのままのキャリアで今よりも金額が高くなるのとどっちのほうがいいいなと思われますか?

④途中のNoを取り除く

会話の途中にお客さんのNOが出てきます。

「〇〇だから今回はやめておく」などです。

ここはNOに対して解決策を提示したり、あえてNOに同意してから「〇〇したほうがいい」という提案を行います。

販売スタッフ

そうなんですね、今使っている電話番号はそのまま使えて、LINEも機種変更と同じで引き継げますよ。失礼ですが、△△会社のメールアドレスは使われてたりしますか?

⑤決定権はお客さんに譲る

こちら側から自信を持って「是非やりましょう!」と言わないとクロージングができない。

という考えを持っている人もいます。

僕はあえて”お客さんに決定権を譲る”ようにします。

理由は2つ

  1. お客さんが決めたことだから後悔しない
  2. もしMNPしたあと今までと違うことがあってもこちらの責任にされない

ちゃんとした説明はしますが、お客さんが決めることで不要なクレームや対応を大幅に減らすことができます

こちら側から押してクロージングすると何かあった場合「販売スタッフが勧めた!」と言われることもあります。

販売スタッフ

そうですよね。でしたらお客様仮になんですけど、お客様と奥様、お子様が携帯会社を乗り換えたら機種変更するよりも6000円は安く使っていただけると思います。なので3人とも新しいiPhoneにした場合の料金の見積もりだけ出さしてもらってもいいですか?

ハッピーになってもらえれば成功

ここまでMNP獲得について例を出したり、詳細や流れを解説してきましたが根本にあるのはお客さんにハッピーになってもらうことです。

MNPすることでスマホも月額も安く使える。

今まで損をしていたけど、販売スタッフさんが親切に教えてくれた。

お客さんから”感謝される”MNP契約獲得がゴールだと考えています。

これまで解説したMNP契約獲得についての流れ以外にお客さんとの距離を近づけ価値を感じてもらえることを紹介します。

お客さんの話を深掘りして聞く

契約途中や設定途中にもお客さんにハッピーになってもらえることがあります。

それはお客さんの”興味のあること”や”関心があること”を聞くことです。

契約途中や設定途中に料金のお得さや、スマホの機能の良さを話すことが多いです。

しかし最もお客さんがハッピーになるのは「自慢に思っていること」や「自分の趣味について」熱心に話を聞いてくれることです。

雑談が苦手だという人は自分から話さなくても、お客さんの話を根掘り葉掘り聞くだけでハッピーな気分になってもらうことができます。

お客さんの満足感のために問題や悩みを解決すること

家電量販店の携帯販売員は契約を獲得することが仕事です。

しかし人は自分のことが一番可愛いし、誰よりも大事です。

お客さんも同じで自分が満たされないと、契約という行動を起こしません。

だから販売スタッフはお客さんの問題や悩みを解決するために、お客さんのために話を聞き、お客さんのために提案をする。

その結果が契約獲得です。

売れるか売れないか、契約が獲得できるかできないかばかりを考えるよりも、目の前のお客さんに今のデメリットとMNPすることで得られるメリットをお客さんに合わせて提案する

その結果MNP獲得数が増えていきます。

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